外科病棟の看護師を困らせる最悪な入院患者

女性40代
外科病棟5年、呼吸器内科4年、救急外来3年、回復期リハビリ病棟4年など
20年のベテラン看護師です。
経験としては病棟勤務が多いですが、外来、クリニック、在宅等の経験もあります。

当時は外科病棟に

40代男性患者の家族は看護師の妻のみの2人暮らしで、ペットに凶暴な犬、金魚、猫2匹がいました。
ATLウイルスHIV関節症など多々の病気を抱え寝たきり状態で、特徴はわがまま、常識が通らない、暴言、暴力、機嫌にムラがある患者でした。

院内でも有名な我がまま放題の患者

感染・内科医師担当患者で院内でも対応の難しさで有名な方で、外科病棟の個室に入院していました。
外科が中心の病棟でオペ後、オペ直後、ターミナル患者等、重篤な方をたくさん対応していました中で、この患者は昼夜問わず5~10秒おきのナースコール攻めでした。
訪室すると無視されることも多く、離れるとナースステーションに戻る前にまたナースコールでそれが一日中続きます。
ナースコールが鳴りやむのは、仕事帰りの妻が面会に来ている夕方だけでした。
彼の退院後、在宅でも訪問したことがありますが、彼のわがままはヒートアップしていて、気に入らないスタッフの訪室は許さず、喫煙のために日に3回外出を強要され、そのたびに4~5人がかりの介助が必要でした。
妻へ相談しようものなら「うちの○○ちゃんは悪くないよ。あんたたちが態度を変えたら」と罵倒されてしまいました。
もちろん説明や声掛けなどでは説得することもできず、時には怒鳴られたり、殴られたりで精神を病んでいくスタッフが続出していました。

看護師が交代制に

ナースコールを無視することはできないので、病室の扉前でスタッフの一人が交代で対応する日々でした。
患者の機嫌がいいときは、褥瘡処置やケアで時間を使ってたくさんおしゃべりするようにしました。

伝わる患者の辛さ

対応の結果、彼の態度が良くなることはなかったですが、一人にされるのが怖いという気持ちが伝わってくることもありました。
若くで寝たきりとなり、無念や寂しさや不安、悔しさもあったでしょうから、スタッフでも彼の気持ちや態度について話す機会もたくさん作りました。
お気に入りのスタッフには負担が非常に大きいのですが、スタッフの中に一人でもお気に入りや味方になってくれる人を作って自分を守ってくれるようにしていることもよくわかったので、精一杯対応しました。
怒りや迷惑という気持ちがほとんどでしたが、彼の言動に意味があるのか考えることをやめないようにしていました。

すべては経験

病棟全体、他の大勢の患者への迷惑、スタッフの疲弊、回診が進まないといった業務の停滞など、彼一人のために負の影響がたくさんありましたが、単純に彼が悪い人と捉えるのではなく、彼の言動の真の意味を考えることを頭の片隅に残していました
自分自身辛い日々でしたので、スタッフ同士で愚痴ったり、慰めたりして私たちが毎日出勤できることを課題としていました。
しかし大変な患者さんがいても、他にいい患者さん、癒される人、尊敬できる方、色々な出会いがあります。
余裕を持つ気持ちが大切だと思います。